士官学校編
□1.夜
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縛り付けた両手首をリザの頭の上のシーツに押し付ける。
そしてロイはリザにキスを…、だがリザは顔を背けた。
ロイはムッとした表情を見せ、リザの顎をつかみ強引に自分の方を向かせる。
そして乱暴にリザに口付けた。
リザは唇と舌を強く吸われながら、その波に溺れぬようもがく。
リザは少しでも我に返りたくて、ロイの唇に噛みついた。
とたんにジワリと血の味がリザの口内に広がる。
…その血の味に、自身の思惑とは裏腹に、思わぬ程高ぶりを感じる。
ロイはリザの後頭部の髪を掴み、更に自分の元へ引き寄せる。
…自分本位の…、リザの躯の事は一切省みないセックスは、まるでリザに自分を憎んでくれと言わんばかりだった。
リザは思う…、それでいい。それで構わないと。
まだほんの少女だった頃の様に、互いに思い合う関係にはもう戻れないのだから。
それならば、今は優しく抱かれる事こそが拷問に近い。
舌が千切れそうなくらい強く吸われて、息ができなくなる。
苦しくて喘ぐが、ロイはわざとリザを苦しめて弄ぶ。
ようやく解放されたリザの舌が、ロイの唇から滴る血を求めると、ロイは強引に唇を引き離した。
昔、キスをし終える時にリザは唇が離れることが切なくて、ロイの唇を追いかけていたことがあったのを思い出す。