士官学校編
□8.教えの意味を
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「詳しいのね。」
「けっこう有名よ。…戦地で友人を助ける為に右腕を負傷して、退役を余儀無くされたって話もね。」
リザは黙って息を呑む。
「…結局友人を助けることはできなかったらしいけど…。」
そしてレベッカは続けた。
「…でも動かない右腕を機械鎧にして軍役に復帰してくれって、軍部からは再三、要請されているらしいわ。
でももう復帰するつもりはないのかしら?」
「機械鎧…。」
レベッカは頷く。
そしてその暗い空気をもみ消す様にレベッカはワザと意地悪そうに笑う。
「…でも教官は残念ながら私にはちょっと好みじゃないわね。
10歳も年上だし、あのだらしない無精髭もどうかと思うし、さっきの濡れたノラ猫みたいな姿見たら、とても伝説の狙撃手とはとても思えないわよね。…もしかしたらデマなんじゃないかしら?」
それを聞いてリザはようやく少し笑った。
「えらい言われ様ね。」
リザがそう言うと、レベッカは豪快に笑う。