士官学校編
□10.スティングレイの過去2
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隊長の歯軋りが聞こえてきそうだった。
彼とて自分の判断で仲間が死に、何も思わない訳がない。
だが彼の立場でそれを表情に出す事はできないのだ。
それを知りつつもスティングレイ引かなかった。
「俺はアイツをここに連れてきます。」
「いいだろう。ただしスティングレイ。お前一人で行け。これ以上部下を危険な目には合わせられない。」
「了解。俺一人で行きます。」
「スティングレイ。」
隊長は去りかけたスティングレイの名を呼ぶ。
「奴が死んだのは私の判断のせいだ。…お前のせいじゃない。」
「…。」
スティングレイはそれに応えずに、隊長に背を向けた。