士官学校編

□10.スティングレイの過去2
2ページ/9ページ


隊長の歯軋りが聞こえてきそうだった。

彼とて自分の判断で仲間が死に、何も思わない訳がない。

だが彼の立場でそれを表情に出す事はできないのだ。

それを知りつつもスティングレイ引かなかった。

「俺はアイツをここに連れてきます。」

「いいだろう。ただしスティングレイ。お前一人で行け。これ以上部下を危険な目には合わせられない。」

「了解。俺一人で行きます。」

「スティングレイ。」

隊長は去りかけたスティングレイの名を呼ぶ。

「奴が死んだのは私の判断のせいだ。…お前のせいじゃない。」

「…。」

スティングレイはそれに応えずに、隊長に背を向けた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ