士官学校編
□33.新しい命
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―――…………。
…リザ。君との再会は本当に悪夢だった。
おかげで私はこんな非道い言葉を親友に投げつける事になった。
「その血で汚れた手で惚れた女を抱きしめるのか。」
それはむしろ自分に向けられた言葉だった。
もう自分は誰かを愛する資格は無いのだと、誰かを抱きしめる事など許されない事なのだと、口に出して自分に知らしめたかったのだ。
…見えない血にまみれた自分の両手心から畏怖し嫌悪した。
…昔から、君への感情は呆れるくらいに誤魔化しがきかない。
変わらない。
変わらないんだよ。
消したくても消せやしない。
そして絶対に消したくない。
…なぁ。
君が軍人という道を選んだのは、あの頃の私が強く君に影響を与えた為なのだろうか。
そうだとすれば私は君に謝罪しない訳にはいかない。
軍人。
…私が言うのもなんだが最悪だろう。
軍はこの国の人々の為にあるのか。
それとも人々が軍の為にあるのか。
判らなくなるだろう。
そうだ。
青い理想は脆く打ち砕かれたのだ。
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