修業編

□5.彼女の仕事
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「ホークアイ中尉。」

呼ばれて顔を上げると、フュリー曹長がニッコリと笑ってこちらを見ていた。

「あら。」

リザもつられて微笑むと、フュリー曹長は持っていた何かの通信機器(?)をテーブルの上に置いて、リザの隣にあった椅子に腰掛けた。


「僕も講師に呼ばれたんですよ。これでも軍部の中で通信機器に通じている者としては指折りと言われているんです。」

「そうなの?」

リザは正直、機械と錬金術に関しては全くわからない。
勉強しようと思っても、まるで身に付かないのだ。
人には向き不向きがある。


「中尉の授業の評判、いいみたいですよ。押しつけがましくないのがいいって。」

そういう捉え方もあるのか。

リザは感心する。

「僕はダメですね〜。知識が偏りすぎてるって。」


リザは笑った。

通信機器オタクと名高い彼らしい。


「やっと笑った。」

フュリーはリザの顔を覗き込んで言った。

「泣きそうな顔をしてましたよ。」

リザは驚いた。

ポーカーフェイスには自信があるのに。

「そう?」


「そうです。元気だしてください。ハヤテ号も心配してるんじゃないですか?」

童顔のフュリー曹長に真剣な顔をしてそう言われると、つい素直に頷いてしまう。

そう言えば今日の朝はハヤテ号がしきりに足元にすり寄ってきて、心配そうにリザを見上げていた。


「心配してくれてありがとう。」
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