修業編

□6.昔
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ロイは錬金術を学ぶために師匠の家に居候しながら修行しているのだった。

日夜問わずに勉強する日々が続き、夕食のあとリビングのソファーで居眠りをしてしまったのだ。


「…風邪をひきますよ。気をつけてくださいね。」

「わかったよ。ありがとう。」





――――――――――

リザ…あの頃は、二人とも何も知らなくて、……ただお互いを大切に思うだけで良かった。


……君への恋心も、理想の将来も、すべてが自分のものになると思っていたんだ。


…今、未来の私達を想像しようとすると、決まってあの頃の私達が現れる。

あの頃の…束の間の幸せ。

今ではいくら手を伸ばしても触れられないーーあの遠いの記憶が……。
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