学園小説

□こまりますスズキさん
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ツー…、何か生暖かい感じがした。
不意に鼻下に手を当てて見てみると、“血ー!!鼻血だっー!”

僕は殴られた頬から手を離し、鼻を覆い隠した。
「おい、転校生が血吹き出してるぞ」
ヤクザ配下のクラスメイトがざわつき、取り囲まれた。
“ボコられるっ!だっ、誰かっ!”
僕は周りをキョロキョロと見て、ヤクザ鬼瓦と視線を合わせた。
“ヤクザ!お前教師だろっ!助けろっ!”
「なんだー、加藤。だらしねーなー。男なら血を流すな」
“何言っちゃってんのーっ?!殴られたら血出すだろっ!てか、男も女も関係ないっ!”
愕然としていると、
「保健室行くよ」
スズキさんが僕の左肩をぐいっと引っ張り立ち上がらせた。
「おー、じゃ、加藤はスズキに任せて授業始めるんで、夜露死苦!」
「夜露死苦!」
“もう…ツッこむ気にもなれない”
僕はスズキさんに連れられて、教室を後にした。
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