Short Dream

□銀
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愛しい貴女よ どうか目を開けておくれ。


愛しい貴女よ どうか名前を呼んでおくれ。


愛しい貴女よ どうかその手で殺しておくれ。









"骸"


ああ、ああ、名無しさん


"骸、"


助けて下さい、苦しいです


"むく…"


消えないで、消えないで…お願いです。どうか…

消えないで


"む、"


うもれないで、貴女の場所はそこじゃないですよ






"、…"


降り積もる雪よ、どうか止んでおくれ。

彼女が、彼女がうまってしまう、
彼女がいなくなってしまう。美しい彼女が




愛してます。おかしくなるほど。


目を、目を あけてください



"………、"


降り積もる雪よ、どうか彼女を連れて逝かないでおくれ

雪など全て消し去ってしまいたい
彼女を包み連れて逝く雪など。




憎めど、何度白銀の雪を憎めど

雪は 止む事をしらず、降り続く




「…名無しさんおきてください」


愛しい貴女よ、どうか目を開けておくれ。



「名無しさん、…名無しさん」



愛しい貴女よ、どうか名前を呼んでおくれ。



「…名無しさん、名無しさんっ名無しさんっっつつ!!!」




愛しい 貴女よ






「ぁ、ァああぁアぁぁあアァアああぁあアア!!!!!」




どうか、 どうか
そ の 手 で 殺 し て お く れ










(届くことない声を)
(叫び続け、答を言えない)
(君を責め続け、彼女を包みこむ雪)
(羨ましくも憎い、雪に身体をあて、彼女の隣で)

(朽ちゆく時を、彼女と供に待ちつづける)














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