04/02の日記

21:32
070402
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 きっと


 恋する白百合は


 ピンク色に咲くのでしょう。








こんなお伽話を見た。








衰弱した赤い黒猫


もうふらふらで


ただただ


生きていきたい、と


最後の力を


振り絞って


か細く鳴いていた。



誰にも聞きとれない声で


ずっと


か細く鳴いていた。








死にかけた赤い黒猫


行き倒れ


薄れゆく意識の中


その眼の先に見たものは


天使ではなく


それは


めったに見られない


ピンクの白百合。





赤い黒猫は


遠い遠い昔


それによく似た花を


見た事があった。





走馬灯のように


思い出し


か細く鳴いて求めた。







生きていたい。







美しく


優しく


穏やかに


眠るように



行き倒れた赤い黒猫


その側に添えられた


ピンクの白百合






それは


終わりの風景であり


始まりの風景でもあった。















 赤い黒猫は



 生命の花



 ピンクの白百合を



 添えられて



 きっと



 どこかで



 生き返るでしょう。





…………………

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