□第四十一診察〜謎の女
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「彼女は夫をとある男に殺されたらしく、その男を夜な夜な探しているそうだ」

「へ、へー…そーかいそーかい…」

「まぁ、織田クリニックの話だがな」

「此処じゃないんかいぃぃぃぃぃいっ!!」


銀時の右ストレートが炸裂した。それをモロに喰らった桂は吹っ飛び、反対側の壁に激突。あべしっ、と奇妙な叫び声をあげたのだった。


「ったく、ちょっとびっくりしちゃったじゃねーかコノヤロー」

「ほら、やっぱり怖かったんじゃん」

「馬鹿ヤロー!!怖がってねぇ、びっくりしただけだ!!大きな違いだぞコレは」

「いや、でもそれは実話やで」


その場に居た全員が後退った。…動けない銀時は気持ちだけ後退った。

いつの間にか開いていた扉の前には、忍足が立っていた。


「いっつも神出鬼没ッスね、忍足サン」

「噂のある所に侑士あり、やで」


フフン、と忍足は何故か得意気な顔で3人を見て、そしていつものように話し始めた。




「あの女性は実はな「何サボってんだ忍足ィ」


ギクリ。


突如声をかけられ硬直した忍足。
彼の後ろにいたのは


「あ、跡部院長だ」

「ち、ちゃうねん跡部!!サボりやなくて休憩…」

「…………来い」


首根っこを掴まれた忍足はグエッ、と蛙の潰れたような声をあげた。

「邪魔したな」

「いや、構わん」

「どっから目線だコノヤロー!!つーかお前が言うな!!お前の病室じゃねぇっつーの!!」


ぎゃいぎゃい騒ぐ患者達を後目に、跡部は忍足を引きずって503号室をあとにした。




因みに、忍足を引きずった跡部と慶次を引きずった半兵衛がすれ違った際に、周りから小さな笑いが起きていた。引きずられた2人は顔を見合わせると、何とも言えぬ表情を浮かべるのだった。





つづく


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