Prince of Tennis〜short story

□初詣―仁王編―
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「嫌じゃ〜!!何故あの人混みん中わざわざ寒いのに初詣なんか行かなきゃならないんじゃ!!家で神様にお願いすればよかろ?」


ぐずる仁王先輩を俺は必死に説得して、ブチブチ文句を言う仁王先輩を初詣に誘った。


神社に着くと、3日なので、人があまり居なくてスムーズにお参りする事ができた。

「あんま混んでなくて良かったじゃないッスか!!」

「だけど……寒いのぅ……赤也、暖め…」


「仁王先輩!!おみくじ引きましょ?」

仁王先輩が変な事言う前に俺は急いで仁王先輩に提案した。


「おみくじか…久しぶりに良いかもな…」


意外に仁王先輩はやる気を見せて、俺に付き合ってくれた。



おみくじを引くと、俺は奇跡の大吉だった。


「におー先輩!!見て見て、大吉ッス!!」

「…良かったのぅ……赤也…」

「におー先輩?」



仁王先輩がおみくじを開いてからテンションが下がっているので、何が出たんだろうと思いながら仁王先輩の手元をみた。





「げっ!!きょ、凶……」

仁王先輩は凶だった。それは落ち込むよな…


「に、仁王先輩!!大丈夫ですよ!!したにはまだ大凶があるんスから!!そんなに悪くないですって!!」


俺は一生懸命仁王先輩を励ましたけど、仁王先輩は逆にテンションが下がった。


「赤也…大凶は逆に当たる確率が少ないから、大吉みたく当たりでいいんじゃよ…でも、凶って…ただ落ち込むだけの結果じゃ!!」



いつものクールな先輩が此処まで落ち込むとは…まあ、しょうがないかなぁ…凶だし。

テンション下がってたら仁王先輩鬱陶しいしな…と思い、最後の手段を使おうと仁王先輩に呼びかけた。


「におー先輩、こっち向いて下さい」

「何じゃ?」




―ちゅっ



「!?!?!?」


「俺大吉なんで、におー先輩に運気を分けてあげれますから、あげちゃいます」


仁王先輩は俺が珍しく自分からキスした事に驚いたようで、目を丸くしていた。


「じゃあ、おみくじ付けに行きましょ」


ぼーっとしている仁王先輩の分も紐にくくりつけてやる。


おみくじを付けれた、と思ったら、仁王先輩が後ろから抱きついてきた。


「に、仁王先輩…?なんでスか?離して下さい…んん!?」


仁王先輩の手が器用に俺のコートの中で蠢いて、ヒヤリとした仁王先輩の手が俺の素肌に当たった。


「ひゃっ!!仁王…先輩…?まさか…」

後ろを恐る恐る振り向くと、仁王先輩は普段通りのエロい仁王先輩の顔に戻っていて、俺は一瞬ときめいた。
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