Prince of Tennis〜short story

□初詣―柳生編―
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お参りをして、おみくじを引いて後は帰るだけなのに、私は可愛い彼女を見失ってしまいました。

「切原君、どこですかー?」


携帯電話を家に置いて来てしまったのを後悔しました。


切原君は迷子になりやすいので、今度からこういう人混みの中では、携帯電話を持ってくるか、手をつないでおかなければなりませんね…



そう考えていると、神木の前に切原君がいた。



「切原君!!」


「柳生先輩!!」



私が呼びかけると、切原君はキョロキョロした後に私を見つけ、走ってきた。


「柳生先輩〜!!携帯電話くらい持っててくださいよ〜!!何回もかけたのに、出なくて…」


「すみません、家に置いて来てしまって…一人にしてごめんなさい」


抱きついてきた切原君を私はそっと抱きしめた。切原君自慢の髪は冷え切っていてパリパリだったし、何より切原君の手が真っ赤だった。


「切原君、これを履いて下さい」



私は、今自分が履いていた手袋を差し出した。


「……」

切原君はそれをじっと見つめた後、にこりとわらって私を見上げた。

「要らないッス!柳生先輩の手が冷たくなるし!」



…君はどこまで可愛らしいんですか。


ニコニコ笑っている切原君に私は微笑みかけて、耳元で喋った。
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