Prince of Tennis〜short story

□初詣―越前編―
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「切原さん、初詣行かない?」




「はぁ…?」



越前の家に泊まらせて貰って年を開けた俺は眠い目をこすりながら、俺を起こした張本人をみた。


「早く着替えてね」


「あ、おい!越前っ!」


ばたんと扉が閉まり、越前に向かって伸ばされた手は虚しく空をかった。


「あいつが、年越しまで盛るから腰がいてぇってのに…」


はぁ…と溜め息をついて俺は仕方ないので服に腕を通した。


† † †



「人があんまりいないっすね」


「ったり前だろ…今もう夕方だぜ」

「切原さんが寝てるからでしょ」

「てめーが昨日無理させたんだろ!!」



「…すいません」

「えっ!?」


越前から出てきた言葉にビックリした。珍しく反省してるようなので許してやる…ん?


「切原さんがあんなに可愛く喘ぐからがっついた俺が悪…」


「ぎゃあぁあ!?何口走ってんだ、てめぇ!!」

「だって本当のこ…」

越前の恐ろしい言葉を振り切るかのように俺は催促した。


「お参りに行くぞっ!!」

「あ、切原さん!!待ってよ」



少し並んでから、俺達はお参りをした。


たしか、2礼2拍1礼だったような…ま、違ったらごめんなさいっ!!

ペコリペコリパンッパンッ

えーと…



まず、新しいゲームを買えますように、赤点を取りませんように、あとは……








ちらりと横を見ると、越前は目を閉じてまだ祈っていた。






……こいつとまた、来年一緒に初詣に来れますように。



おれは、そう祈って恥ずかしくなって顔をあげた。

するとこちらを見ていた越前と目があった。



「何だよ?」


「随分長かったスね。何お願いしたんスか?」


「!!見てたのか!!」


かぁあっと俺のほっぺは熱くなった。


「ねぇ、何お願いしたんスか?」


「こ、こーゆーのは、言っちゃ駄目なはずだろ!!」
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