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□第四十二診察〜忍足先生の実力
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あれから、忍足は跡部に引き摺られて院長室に来ていた。
「全く…俺が今日は大人しくしていろ、と言ったのに、出来ねぇのか、テメェは!!」
跡部はそう言って忍足を睨みつけた。
「やからすまんって言ったやろ〜、跡部。あんまり怒ってばかりやとハゲるで」
あははは、と忍足は笑って返したつもりだったが、跡部の般若のような形相に体を縮めた。
「今日は、織田クリニックから客…いや、患者が来ると言ってあっただろうが!!」
「…すみませんでした…」
忍足は小さくなりながら跡部をチラリと仰ぎ見た。
この昔からの友人は、キレると手が付けられなくなるのだ。
「…ったく、反省しろよ」
なので、黙って縮こまるって反省したふりをすると、跡部は機嫌が直る。
いや、普段五月蠅い忍足が本気の反省ポーズをすると、跡部は許してくれるのだった。
(全く、優しい奴やなぁ…)
院長室の椅子に座った跡部を見て、忍足は小さく笑った。
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