□第四十二診察〜忍足先生の実力
1ページ/4ページ




あれから、忍足は跡部に引き摺られて院長室に来ていた。


「全く…俺が今日は大人しくしていろ、と言ったのに、出来ねぇのか、テメェは!!」



跡部はそう言って忍足を睨みつけた。


「やからすまんって言ったやろ〜、跡部。あんまり怒ってばかりやとハゲるで」


あははは、と忍足は笑って返したつもりだったが、跡部の般若のような形相に体を縮めた。


「今日は、織田クリニックから客…いや、患者が来ると言ってあっただろうが!!」



「…すみませんでした…」



忍足は小さくなりながら跡部をチラリと仰ぎ見た。


この昔からの友人は、キレると手が付けられなくなるのだ。



「…ったく、反省しろよ」



なので、黙って縮こまるって反省したふりをすると、跡部は機嫌が直る。

いや、普段五月蠅い忍足が本気の反省ポーズをすると、跡部は許してくれるのだった。



(全く、優しい奴やなぁ…)



院長室の椅子に座った跡部を見て、忍足は小さく笑った。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ