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□第四十五診察〜忍足先生の作戦
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―菊丸の衝撃的な告白から、20分程が経過した。
"病院案内"と称して慶次が菊丸を連れ出し(因みに菊丸は車椅子)、政宗は小十郎に呼び出され、赤也と越前が検査に行ってしまったため、静まり返った病室にはオッサン2人が残された。
「チックショーーッ!!」
「ど、どうした!?」
いきなり叫び出した銀時にビビりながら、近藤は問いかけた。
が、数秒後に彼は問うた事を後悔した。
銀時の目がいつにも増して光を失っていたのだ。
「何で俺達には出逢いがねぇんだぁあぁあっ!?」
「…は!?」
「だってよく考えてみろよ!!よく見つめ返してみろよ今の俺達を!!悲しくもなるだろ!?503号室の中で俺達だけだぜ、色恋沙汰に絡んでねーのは!!あのガキ(菊丸)にも、赤也君にも、政宗君にも彼女…いや彼氏?…がいるじゃねーか!!」
銀時は頭を抱え、ベッドの上でのたうち回った。スプリングがギシギシと五月蝿い。
「しかもリョーマ君も、慶次君でさえ片思いの相手がいるみたいだしー」
「だったら俺だってお妙さんに……って、え?」
近藤の動きが止まった。
「ちょ、ま、待って!?慶次君に関しては俺初めて知ったんだけど!!相手は誰だ!?」
「バカヤロー!!だからテメーはゴリラなんだ!!」
狼狽える近藤をよそに、銀時は盛大な溜め息をついたのだった。
「あー、俺も運命の出逢いしてみてー!!」
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