□第四十七診察〜銀髪侍の焦燥
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「銀さん、ちょっと銀さん!」
「うおっ」

市に対する自己アピールを続ける銀時を、新八が無理矢理引き剥がした。
いきなりの暴挙に銀時は憤慨したように新八に向き直る。

「何すんだぱっつぁん!せっかくのチャンスを!」
「何のチャンスかは知りませんが、ひとまず落ち着いてください!市さんが置いてけぼりです!」

はっ、と市を見る。
彼女は、当然のことながら、戸惑ったように目線を泳がせていた。
無理もない。ある時突然見知らぬ部屋に通うこととなったのだ。
まずは互いを知らなければならない。
503号室のメンバーはほぼ全員が揃ったところで改めて自己紹介を始めた。


「俺は前田慶次ってんだ。よろしく、お嬢さん!」
「菊丸英二でっす!よろしくぅ!」
「俺は切原赤也。よろしく!」
「越前リョーマ。…ども」

まずは若者4人。
勢いに圧倒されつつも、市は呟くように「よろしく…」と返した。

「俺は近ど「市さん、この人は檻から逃げ出したゴリラよ。近寄らない方がいいわ。あ、私は志村妙、よろしくね。こっちは弟の新ちゃん――志村新八よ」
「よ、よろしくお願いします」

近藤の言葉を遮ってお妙がにこやかに話し掛けると、やはり同じ女性だからか、戸惑いながらも僅かな笑みが返ってきた。

しかし。
忍足は眉を寄せた。

(やっぱ男だけやと馴染みにくいわなあ…どないしよ…)

そんな彼の心配など知らない銀時は、ようやく自分の番だと、意気揚々と松葉杖で立ち上がった。

「俺は」

銀時が口を開くや否や、ガラッとドアの開く音がした。



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