私立ばさたま幼稚園
□晴れのち快晴
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ある日の午前中。
幼稚園のホールからは、子供達の楽しそうな声が聞こえてくる。
鬼ごっこをする子達の足音、ボールの跳ねる音がホール中に溢れていた。
そんな中、パシンパシンと、何やら聞き慣れない…何かがぶつかる様な音が聞こえてくる。
どうやら、ホールの一角で、二人の子供が紙を丸めてチャンバラをしているようだ。
「やあっ!!」
「ていっ!!」
掛け声勇ましく一度打ち合った後、二人共笑いながら構えをといた。
「また…強くなったね、マサくん。」
「九ちゃんこそ!!」
二人の子供―九兵衛と政宗は、自由時間にチャンバラするのが最早日課となっている。
二人共、名家の生まれであり、剣術の指南も受けていたので、子供にしては物凄く強かった。
だが、それ以外にも共通点がある。
九兵衛は左目に、政宗は右目に眼帯をしているのだ。
共通点の多さからか、二人は直ぐに仲良くなり、今では大親友だ。