華麗なる白石家

□第3幕〜白石家の朝食風景
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騒がしい喧騒も、収まっていく。

何故なら、これから白石家全員が一緒に食事をするのだ。




「おはよう、みんな」


まず始めに来て、使用人達に挨拶したのは、白石家長男の精市。穏やかに笑う精市に、使用人達は和やかな雰囲気になる。


「おはよう御座います、兄上」


その次に来たのは、次男の元就だ。使用人達はキリっとした雰囲気に、背筋を伸ばす。



「おはよう、元就。また元親を困らせたね?駄目じゃないか」


クスリと笑いながら精市が言うと、元就が真っ赤になる。


「も、申し訳ありません、兄上」


元就の数少ないデレは、主に精市相手だけに発揮される。


「ふふ、良い子だね、元就は」


精市は、元就がツンツンしているのは見たことが無いらしく、その姿を見て元就の頭を撫でた。



「Hello、精市、元就」


次に来たのは、先程死体になっていた政宗だった。


死体から復活したのだろうその姿は、所々やつれていた。



「おはよう、政宗」


「…お早う」


政宗が来ると、途端にツンツンに戻った元就を見て、使用人達とそばに立っていた元親は苦笑した。




「だりぃな……ヅラ!!水持って来い!!」


次に扉を蹴り開けて入って来たのは、四男の晋助だった。そしてそのまま席にドカリと腰掛ける。


「晋助、桂を酷使するな。…俺が水を持ってこよう」


「げっ、精市兄さん!!」

桂に精市がそう言うと、晋助は慌てて立ち上がる。


「いいです!!止めて下さい!!……ヅラ、やっぱりいい」


「わかった」



使用人達は、精市の見事な手腕に感激する。この家一番の問題児・晋助を意図もたやすく操っている。


そんな姿を見た使用人達は、精市には絶対逆らわないでおこうと決めた瞬間だった。



「……あとは蔵之介か」


政宗がそう呟いたと同時に、使用人達と一緒に立っていた赤也が声をあげる。



「千歳さんも居ないっスよね?」


「「「「あ……」」」



そこに居た全員が声を揃えた。



「あの馬鹿弟め…」


元就が精市に聞こえないように呟く。


「母様達が来る前に来れれば良いけど…」


精市がそう言った瞬間、扉が開いた。



「遅くなってすまんな!!お早う、兄さん達!!」



そこには千歳を連れた蔵之介が、立っていた。



「蔵、ギリギリsafeだぜ」


政宗がそう言うと、蔵之介はホッとして席に着く。



「ちょっと時間忘れてしもたわ…な?千歳」



「……」


白石が千歳に笑いかけると、赤也の隣に移動した千歳は顔を赤くした。



(何やってたんだよ……)



朝食を運び終えた佐助は、半目で千歳達を見た。


その時、カツカツという音が響く。



「来た…」


そう晋助が呟くと、それまで和やかムードだった空気が張り詰める。




―カチャ…



扉を開けて入って来たのは、この館の主人で五兄弟の親である父と母であった。




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