華麗なる白石家

□第5幕〜白石家の五男
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兄達が不穏な動きを見せている頃、白石家五男である蔵之介は青春真っ盛りだった。



「行ったで!!白石!!」


「任しとき!!」



グラウンドでサッカーをしていた蔵之介は、クラスメートの謙也からパスを貰い、シュートを決めてた所であった。




「「「キャアァアァっ!!」」」


蔵之介の華麗なシュートに女子は歓声を上げる。

「「蔵之介ーっ!!可愛いぜーー!!」」


白石家の兄弟は皆モテるが、蔵之介だけ違った点があった。



蔵之介は‘男’にもモテるのだ。



「おおきにな〜〜」



声援をくれた皆に蔵之介は笑顔を振りまくので、勿論男達も喜ばない筈も無く……蔵之介の貞操は今日も危なくなるのだった。



「白石…あんまり愛想を振りまくと危ないで」



男達にも狙われている蔵之介の唯一の親友である謙也がそう溜息を尽きながら話すと、蔵之介は好意を気づいていないのか、首を傾げた。


「何でや?」


「それは…」



「そこの二人ー!!授業を終わるぞ!!」


「あ、ハーイ!!行こ、謙也!!」


「お、おん…」



先生に向かって走り出した蔵之介を謙也は心配そうに見つめて、自分もその後を遅れない様についていった。



気が付いていないのなら自分が目を離さなければ良い、そう考えた自分を後から後悔するのは、この時謙也は気が付いていなかった。







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