捧げ物・宝物
□fall
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まだ朝というには暗すぎる時間帯。
ルークが目が覚めると、目の前には愛しい漆黒の髪が見えた。
彼はまだ寝ているらしく、ルークはくすりと笑いその髪を解く。
昨日は久しぶりだった為か、散々鳴かされる羽目になったルークだが、最中の彼の余裕のない表情をみるのが好きだからか、求められるという愛情を愛しく思うからか、腰は痛くとも彼を拒んだりはしなかった。そのまま顔に掛かっていた髪を掻き上げると、整ったユーリの顔。
瞳は閉じていて眉も下がっていて。
あどけない子供の寝顔のようで、ルークの顔が綻んだ。
ユーリの整った顔を見ていると、安心する。
だが同時に、昨夜の情事をも頭の中で感じはじめ、次第に顔が火照って行くのを感じた。
「俺も、ハマっちまってんのかな」
「何が?」
「っっ!!!」
独り言を呟いていたはずなのに返事が返ってきてしまったことに驚愕するルーク。
「起きてたのかよ…」
「ん、今さっきな」
漆黒の髪に触れていた手を放すと、今度はユーリがルークの長い朱紅の髪を解き始めた。
気持ち良い大きな手で撫でられてルークは心地よさに目を閉じる。
「なぁルーク」
「なんだよ」
身体は正直なのに言葉はつんけんした態度を取るルークにユーリは苦笑しながらも言葉を続ける。
「お前、可愛いな」
「な…っっ!バカにしてんのかよっ!」
素直な感想を述べたはずなのに逆鱗に触れたのか怒ってくるルーク。
「褒めてんだよ」
「それのどこがだよっ」
でも。本当は分かっている。
ルークが素直になれずにこんな態度を取っていることも。
それをユーリはさらに愛しく感じてしまうことも。
「ルーク」
耳元で囁かれ、ぴくりと身体を揺らす。
そのまま耳たぶを甘噛みすればルークは甘く小さな声を発した。
「ぁっ…昨日あんだけ盛っといてまだ足んねーのかよ…っ」
「足んねぇな」
この万年発情男!と罵声を浴びせるルークだが、首元に唇を這わせられ素直に反応をする。
「朝までまだ時間あるだろ」
「〜〜〜っ///死ねエローウェル」
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