捧げ物・宝物
□あなたを待つ時間
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「赤也、明日デートするぜぃ!遅れるなよな!!」
そう言って、丸井先輩が昨日言ったから、俺にしては珍しく、早く来すぎてしまった。
今日は丸井先輩と付き合って初めてのデート。
とっても楽しみで、昨日の夜から服を選んで、毎回毎回朝練には遅刻する俺も、今日だけは早くきた。
いっつもこうだったら良いのに、とため息をつく幸村部長が頭に浮かんだが、俺はそっとその姿を消した。
「今日は、デートなんだし!!」
いいよな?と誰かに問う風でも無く、俺は丸井先輩を待った。
まだ待ち合わせ時間より全然早いから、俺は服装をチェックする。
どこにも変な所…ないよな?
髪も…ちゃんとセットしたし、あとは…
全て確認し終わって、俺は自分が緊張しているのだと気づく。
姉貴も、彼氏と待ち合わせる前はそわそわしてたっけ。
と思い浮かべて、俺ははっと気づく。
じゃあ、今俺、彼女側の心境!?…いやいやいや、そんなわけ…
俺は自分で自分が恥ずかしくなり、はぁ、と下を向いた。
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