捧げ物・宝物

□アイツが姫若子っ!!
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「散るがいいわっ!!」

「ちょ、待っ…あぁあぁあぁあっ!!!!」







「アニキ!!今日も見事なやられっぷりでした!!」「煩ぇ…」

俺は今、船上で野郎共から手当てを受けている。毛利元就と手合わせした結果、ボロ負けしたからだ。だから俺の機嫌は最高に悪い。

まぁ、原因はそれだけではないのだが。


「アニキ、もしやまた今日も告白出来なかったんスか〜?」
「バッ、何言って…」
「顔真っ赤ッスよ、アニキ〜」
「い、いいから仕事しやがれてめぇらぁっ!!」

ニヤニヤする野郎共を一喝し、俺は自室へと戻った。

「はぁー…」

部屋に入ると同時に俺は盛大な溜め息をついた。


―また今日も告白出来なかったんスか〜?


…あぁその通りだよチクショー!!
思い出される部下の台詞に苛つきながら、俺は舌打ちした。



俺は、毛利元就に惚れている。
だが、今までずっとその事を言えずにいる。
色恋沙汰に疎そうな相手だし、同盟組んでるとはいえ敵同士だ。そして何より、相手が俺の事を良く思っていないであろう事は明白。
…叶う筈がない…でも諦められない。

その所為で、俺の想いは宙ぶらりんのまま。
度々会う事があっても結局告白出来ず、それを毎回野郎共にからかわれてる訳だ。






そんな俺の元に、一通の文が届いたのは、それからすぐのことだった。



『長曾我部元親

話がある。三秒以内に厳島に来い。遅れれば命は無いと思え。

      毛利元就』

…何と身勝手な。


だが、もしや…これはチャンス(※政宗から教わった)なんじゃねぇか?
せっかく向こうから誘ってくれたんだ(※誘ってません)

この好機を逃してなるものか。




今度こそ絶対告白してやるぜっ!!




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