捧げ物・宝物

□First step
1ページ/7ページ




「赤也、明日空いてるか?」


「え…はい…?」


「それじゃあ、俺と出かけにでも行かないか」


「…え……はい!!」




柳さん、それって、デートっスよね!!



俺らは付き合い始めてまだ2ヶ月くらいしか経っていない。


勿論、デートらしいデートも初めてな訳で…。




やっと柳さんと初デート出来るんだ!



そう考えると、顔のにやけが治まらなくて、部活の時に散々幸村部長に虐められてしまった。



でも、虐められてた時も、柳さんは庇ってくれて…ヤバい、俺めっちゃ柳さん大好きになりそう。



「ほぉ、赤也は参謀とデートか」


「ついに赤也がデートかよぃ…感慨深いな」



「っおわ!?仁王先輩に丸井先輩!?」



いきなり後ろから抱きついてきた二人に、俺は心臓が飛び出るかと思った。



「って…何でデートだって知ってるんスか?」


俺が不審に思いそう聞くと、二人は明らかに焦った顔をした後



「い、いや、そうじゃないかな〜と思ったナリ」

「そうそう、お、男のカンってヤツだぜぃ!!」



とうろたえながら、その場を去っていった。



「丸井と仁王…」


俺たちの様子を見ていた柳さんが二人を見て渋い顔をしながら睨んでたなんて、俺はこの時気づいていなかった。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ