捧げ物・宝物

□この命、貴方の為に
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「政宗様ぁっっ!!!!」



聞こえた時にはもう遅くて。

部下の声を認識し、振り向いたと同時に、

俺の体には、無数の穴が開いていた。











どの位走ったのだろう。敵の攻撃を逃れ、俺達は戦場を駆けていた。

…全身が酷く痛む。
完全に不覚をとってしまった。


先程の襲撃で、俺は腕と腹を何ヶ所か貫かれた。急所に当たらなかったのは幸いだったが、何せ鉄砲玉で撃たれたのだ。
傷口は焼ける様に熱く、息も完全に上がってた。

敵の大将が負傷したとなりゃ、これはまたとないchanceだ。
当然俺は囲まれ、総攻撃を受ける羽目になった。
流石にもう死んだな…と思ったが、いち早く気付いた腹心の1人が俺に駆け寄り、攻撃を防いでくれた。


で、今そいつに肩を借りながら追っ手から逃げてる所なんだが…
ヤバい。目が霞んできやがった。
傷口が熱を持ってきて、焼ける様な痛みが全身に響く。
脚にもだんだん力が入らなくなって―


俺は、その場に崩れ落ちた。


瞬間、部下が慌てて足を止める。

「政宗様!!」




今にも泣きそうに、表情を歪めて俺を覗き込む。

…あぁ、そんな顔すんなよ…


だが、その表情も叫びもだんだん分からなくなって、

俺は意識を失った。













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