私立◯◯◯◯女子高校
□第2校時〜朝×グラウンド=魅惑
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キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響き、私立〇〇〇〇女子高校の一時間目が始まる。
一時間目の授業は体育だった。
この高校のグラウンドは玄関の前に有るので、玄関から校門までの距離はかなりある。
そして、玄関の前に有るので、誰かが入ってきたらすぐに分かるのだ。
「寒いっスねぇ…」
まだ、春先だと言うのに、赤也は短パンを履いていた。その短パンからは惜しげもなく白く細い脚が伸びている。そんな格好をしている赤也に、蓮は目をひそめた。
「赤也、何故そんな格好をしている。まだ、春先だから寒いだろう」
そう蓮が注意すると、赤也は苦笑した。
「長ジャーを洗濯するの忘れてて…」
そう言って眉をハの字にする赤也の周りに、お馴染みのメンバーが集まる。
「赤也ちゃん、その短パン姿もカワエエけど、お肌に悪いわ…体育見学したら?」
白石がそう苦笑すると、政宗がその発言を聞いて呆れる。
「お前、本当に変態だな」
「なんやとっ!!」
政宗に変態と言われた白石は、政宗に吠える。
「まぁまぁ、政宗殿、蔵之介殿は心配しているので御座るよ。…赤也殿、どうするで御座るか?」
政宗を宥めるのは、幸村の役目。幸村に宥められた政宗は大人しく赤也を見る。
「でも、体育は…欠席したく無いッスから…くしゅんっ」
「赤也っ!!」
寒さでくしゃみをした赤也を皆は心配して見つめる。
今まで遠巻きに見ていたクラスメートも、心配そうに赤也を見る。
その時、赤也に救世主が現れた。
「これを使いんしゃい、赤也」
ポスと、赤也の手に乗せられたのは、長いジャージだった。
「「「「……?」」」」
みんなは、誰のジャージだと頭を捻る。
そして、誰かを判断する前に、クラスメートの悲鳴で誰かを悟った。
「きゃぁぁぁぁっ!雅さまぁっ!!」
「お美しいっ!!」
そう、長ジャージの持ち主は、遅刻して来た仁王雅だったのだ。
「また遅刻か。仁王」
風紀委員長である元就が眉をひそめる。
「まぁまぁ、そんなに怒ると綺麗な顔が台無しじゃぞ、毛利」
ふふ、と笑う姿すら、色っぽく、クラスメートの数人が、気絶する。
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