Prince of Tennis〜short story

□聖なる夜に
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「仁王先輩…」

ライトアップされたクリスマスツリーをボーっと見つめていたら、仁王先輩がいつの間にか横から居なくなっていて。


仁王先輩が横に居ないと、こんなにも寂しいなんて…

「…どこに居るんだよ…グスッ」


知らず知らずのうちに涙が頬を伝った。

「仁王先輩のバカ…」


俺が独りでこんなに寂しいのに、貴方はここには居ない。

「…携帯も繋がんないし…」

はぁ…とため息を漏らす。息は真っ白になって宙に吐き出され、透明になって消えた。


「……帰ろっかな…」


ここに独りでいて、得する事なんて何もない。

俺は今来た道をトボトボ戻っていった。


「……っ!!」


不意に、暖かい感触に全身が包まれた。

「な、に…!?」


「俺を置いて帰るんかのぅ?真っ赤なお目目の赤也ちゃん」

「…!!に、お…せんぱ…」
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