CODE:BREAKER
□春吹雪
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春―――――――
季節外れの雪のように舞い散る桜を眺めながら、平家将臣はふう、と小さく溜息をついた。
あれから、もう5年になる…
―――――自分が、『コードブレイカー』になってから。
隣を歩く大神零は、自分の後輩。
同じ、『コードブレイカー』だ。
大神「どうしたんですか、平家」
溜息に気付いた大神が言った。
平家「なんでもありませんよ」
と答え、
ただ昔のことを思い出しただけです、と心の中でつけたした。
平家は再び桜を眺め、目を閉じた。
5年前…雪のような花ビラの中、自分は『コードブレイカー』になった。
――――――若い‘エージェント’に連れられて。