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□愛してる、なのに
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愛してる。
こんなにも君を愛してる。
なのに君は、
俺から離れていくの‥?
───愛してる、なのに
「‥しょーちゃん‥」
今日は久々の休日。
俺の家で、いつものように二人で過ごしていたら、雅紀がいきなり抱きついてきた。
「どうしたの??雅紀」
「‥ううん、なんでもない。ただ、こうしてたいだけ」
いつもは照れて、めったに自分から抱きついてこない雅紀を不思議に思いつつも、
抱きつかれたことが嬉しくて、あまり気にはしなかった。
「‥雅紀」
「翔ちゃん‥」
どちらかともなく、キスをした。
浅いキスから、だんだんと深いものに変えてゆく。
「んっ‥ふっ‥」
苦しくなって口を開けたそのすきに、俺の舌を滑り込ませた。
一生懸命俺の舌に絡ませようとする雅紀が可愛くて愛しくて、今度は俺が雅紀を強く抱きしめていた‥。
長いキスから唇を離せば、お互いを透明な糸で繋いでる。
雅紀はそれを愛おしげに見つめたあと、俺の瞳を上目遣いで見てきた。
俺はこのとき、雅紀の瞳が一瞬悲しく光ったのを‥見逃してしまったんだ。