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□ひざまくら
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「ねむっ‥」
あまりの眠気に、手で目を擦りながらあくびをした。
コンサート終わった後すぐ打ち上げ行って、そのあと残りの仕事仕上げてさて寝ようってときにカーテンを見たら‥
眩しく光る太陽が、朝が来たことを知らせている。
‥まぁ、そんな日常が三日続いて、さすがに疲労・眠気ともに最高潮にたっしていた。
「翔ちゃん、大丈夫?」
心配そうに俺を見る彼女の雅紀に、茶髪の髪を撫でながら心配をかけないよう微笑んであげた。
「大丈夫だよ。雅紀が思ってるほど俺弱くねーし‥」
「‥嘘つき」
雅紀は頬を膨らませてそう言った。
そんな雅紀が可愛くてクスッと笑った瞬間。
視界がグルッと歪んで、見えた光景は俺を見下ろす雅紀。
どうやら雅紀に膝枕されてるみたいだ。
「目、くま出来てるし、ずっとあくびして疲れたようにため息ついて、それで大丈夫なわけないじゃん」
「雅紀‥」
心配そうにそう言う雅紀は、少し目が潤んでる。
俺のせいでそんな表情にさせているのだと思うと、すげぇ申し訳ない気持ちになった。
「ごめんな、雅紀‥」
そう言って、少し顔を上げて雅紀の小さな口にソッとキスをしてあげた。
「謝るならさ、寝てよね!!俺、膝枕してあげるからさ!!」
そう満面の笑みで言う雅紀。
雅紀だって疲れているだろうに、俺に気を使う雅紀に、また申し訳ない気持ちになったけど、
雅紀の温もりが、なぜかとても安心出来て、ゆっくり目を瞑った。
「雅紀、ありがとうな」
「うんっ!やっぱ謝られるよりそういわれた方が嬉しいや」
ふふって笑う雅紀から、照れてるんだなってみなくてもわかる。
「今度は俺が膝枕してやるからな」
「えへへ、ありがとぉ」
「じゃぁ、おやすみ」
「うん、」
雅紀がうなずいたのを確認して、俺はゆっくり眠りについた。
雅紀の温もりを感じながら‥
fin.