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□※乱れ乱れよ黒の蝶
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「ん‥あっ‥‥ふっ」







時は江戸。

夜な夜な男に体を売る遊女たちが集うこの屋敷に、俺はいる。





「ん‥出すわっ」





今、俺にご奉仕してくれてるこの子は‥、

女物の着物を着て、女物の簪(かんざし)を付けている、

正真正銘の、男。





何故かは知らんけど、初めて俺がここに来たときには、もうすでにこいつはいた。





源氏名は裕。







本名は知らないし。

年齢も知らん。

何処から来て、何故こんな場所で、まして男なのにいるのかも、もちろん知らへん。







裕くんのことはほとんどわからんけど、俺はたぶん、裕くんに惚れてる。

惚れてるから、たぶん毎日ここに通いつめてるんやと思う。







「ん‥んふぁ‥‥」

「全部飲まんでもええよ」





一生懸命俺から出た欲を飲もうとする裕くんに、頭を撫でながらそう言う。


全部飲み干さず、飲み干せない欲を口から垂らした方が、萌えるやろ?







変態とか思った奴、ぶっとばすで?(笑)














「んっ‥‥飲‥む‥」





俺がそう言ってるのに関わらず、俺の欲を全部飲み干そうとする裕くん。

それはそれでいいかもしれへんなぁ。

俺の欲を一生懸命飲もうとする裕くん。

確かに萌える。





「‥‥‥‥‥っふ」





最後にそう言って俺の欲を飲み干した裕くん。

でもやっぱり口からは入りきらんかった白い液が垂れている。





「よく飲んだわ、えらいえらい」





そう言って裕くんから垂れている白い液を、キスをしながら嘗めた。

ん、自分のやねんけどやっぱ苦い。

よく飲み干したな裕くん。






「お、くら………?」






物欲しそうに見つめる裕くんに、今度は嘗める目的ではなくて、深い深いキスをする。





「ん、‥‥くちゅ、ふぁ、ん」




長い時間キスしてたら、苦しくなったのか、弱々しく俺の胸をトントン叩いた。

ゆっくり、口同士をはなす。






「はぁ‥‥‥はぁ」





今度は白い液ではなくて、よだれを垂らして、肩で息をする裕を、

ゆっくり押し倒した。














「ご褒美、あげる」
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