DQ

□わかってる?
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「……俺、お前と歩くの嫌になってきたぜ」

ハッサンはウンザリとした様子で呟いた。
そんな呟きに、イザは分かるかも、と同意した。

「…フン」

テリーに聞こえたらしく鼻で笑った。

「つーかお前、ホンット嫌味なほどモテやがって……」

ハッサンは見てみろよっと顎で示した。
そちらを向けば女の子数人、こちらを見てこそこそと話している。

「……凄いあの人かっこよくない?」
「ホントだ。でも隣に凄い美人な人いるし、彼女かな?」

なんて潜めているつもりなのか分からない大きさで話していた。

「まぁまぁ仕方ないだろ?いいから宿屋行こうぜ?」

イザはあまり興味がないといった様子で話す。
ハッサンはそんなイザを睨んだ。

「お前だってモテんだからいいよな〜」
「……はぁ?」

ハッサンの発言にイザは目を丸くし、言っていることが分からないとばかりに聞き返した。

「だーからお前だって中々なもんだろ?そりゃテリーと比べるとアレだけどよ」

なぁ?と後ろに控え目にいるチャモロとミレーユに問う。
チャモロはそうですね。短く返し、ミレーユは、
「その辺の男性より全然綺麗な顔してるもの」
テリーには劣るけど、と返す。
ハッサンはミレーユの途中の発言を聞かなかったことにし、話しを進めた。

「ほらな?」
「ふぅん?そうかな?」

イザは少し照れた風に頬を薄く赤く染める。
周りはそんな仕草に一瞬歩くのを止めた。

「……?みんなどうした?」
「自覚無いって、恐ろしいな……」
「「本当に」」
「おい、イザ、俺以外にそんな顔みせるな」

テリーの発言にイザは、へ?と首を傾げる。
そんなイザにテリーは行動停止を余儀なくされた。

「宿屋探しましょう?」

ミレーユの声にハッサン、チャモロはそうしよう!と賛同の声を上げた。
ハッサンはいまだ首を傾げているイザの背中を叩き、行こうぜと催促をした。
イザは、ん、あぁ。と生返事を返すと歩き出した。
皆はイザを囲むように並び歩き出した。


テリーを置いたまま……。




end
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