スーパーロボット大戦Emotion

□第5話 前途は多難
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大航歴704.06.09

ルーツ
キャリフォルニアベース

ロード部隊格納庫

1700


ドーリアン外務次官の一件以来、俺達は妙に忙しい日々に葛藤していた。

俺のエインガナの換装ユニットもいよいよ全てが揃って、毎日それぞれのテストだの模擬戦だのの繰り返し。

転属になってもう半月。

部隊の連中とは上手くやっている。

余談だが、木連との和平交渉が始まったとの連絡を今朝受けた所だ。

ナデシコはフォールドブースターを搭載していないが、ボソンジャンプとやらが使えるらしい。

和平が決まったら、さっさと帰って来て英雄達の面を拝みたいと思う。

ロタ
「YOU GET TO BURNING、君らしく誇らしく〜」

マリナ
「ロタ、アムロ大尉が捜してたわよ?前の戦術シュミレーションのデータ、もう一度練り直しなさいだって」

折角機嫌良さそうにしていたロタちゃんが、わかりやすくシュンとなる。

イサム
「またか、あいつ?」

隣でエインガナの足にぐてーと寄り掛かっているイサムが、あくび混じりに呟いた。

オファニム
「ロタちゃんて押しの強すぎる作戦が売りだけど、文字通り強すぎなんだよねぇ………」

防衛策とかは好成績だけど、強襲作戦の発案が俺の目から見てもイマイチだ。

イサム
「陸上戦の知識が足りねえみたいだし、まだパイロットには早いな?」

オファニム
「オペレーター志望だったら士官学校からやり直しだろうさ」

俺は喋りながらも、機体調整の手は動かす。

オファニム
「それより、明日から俺達パイロットは宇宙に上がるんだ。さっさと荷造りしないと………」

イサム
「また例の外務次官のお守りだとは、この部隊も甘く見られたもんだぜ?」

またあくびをするイサム。

クリス
「認められたからこその任務ですよ?」

ひょこっと背後からクリスが現れた。

クリス
「それに、宇宙圏はネオ・ジオンの干渉もあるとの噂もあります。各コロニーやプラントから奇襲をかけられた時の為にと、連邦本部よりの直属の命令でしたし」

イサム
「過大評価され過ぎだぜ?」

嬉しくなさそうにふら〜っと立つ。

イサム
「そういやクリス、お前ってあと一ヶ月で研修終わるのか?」

クリス
「はい。今月末で修了になります。ちゃんと成績が採れたら、ですけど」

オファニム
「寂しくなるなぁ………」

調整も終わり、装甲を閉める。

オファニム
「修了したらどうするの?やっぱり、ルーツの地球連邦でパイロットに?」

クリスは横に首を振る。

クリス
「ブルーネルに帰って、オーブ軍に入隊する予定です」

イサム
「ブルーネル?お前、この地球の出身じゃないのか?」

イサムも初耳だったらしい。

クリス
「あの星は遺伝子を組み替えた者には厳しいですから。パイロットを志願するに当たって、祖国から学びの場を提供して頂いたんです」

オファニム
「てことは………クリスってコーディネーターなの?」

クリス
「いいえ。私はアムロ大尉と同じ種類の人間なんです」

意味する所によると………。

イサム
「つまり、ニュータイプって事ね?」

オファニム
「ニュータイプ?ナチュラルなのに特殊な能力を持つ新世代の人間の事か?」

クリス
「はい。私の祖国オーブには、迫害から護る為に色々と良くして頂いています」

イサム
「三つの蒼い星の中で、ルーツとジ・アースは唯一共存を選んだ文明だ。隠れみのには丁度良い」

クリス
「おっしゃる通りです」




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