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□満月
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昔々のお噺です。
ある日の空には満月が昇っていました。
それは地上を見下ろしながら微笑んでいるようでした。
そして、満月を見た人は自然と笑みがこぼれ、幸せな気持ちになりました。
正しい道とは何か。
人間はこの疑問で悩み続ける。
華やかな世界の中に必ず影はある。
闇夜、紅い月、満月になりきれない三日月・・・
これらを繰り返し、満月は現れる。
長くは続かない『幸福』として。
人間の過ちは繰り返され、終わることはない。
その中に真実を見つけられた者だけが本当の幸福を手に入れることが出来るだろう。
これは昔々のお噺。
けして語り継がれる事のない物語。
→あとがき