刹那的泡沫
何がいけなかったの
私の何が気に入らなかったの
あの女にあって、私にないもの
人らしい振舞い
妖艶な笑み
厳しさ
声
私にあるのは、きっと、そしてずっと
貴方を誰よりも想う気持ち
無知という無邪気
多くを語る瞳
海色の髪
アシ
そう、あの女にねだった白く、細い
頼りないアシ
私の深海色の尾を引き換えに
………こんなアシならいらなかった
歩けるはずの私は今、一歩も進めない
貴方に愛されない私に
アシを持ち上げる力も気力もないの
ねえ、どうしてよ
私のどこが好き
聞いたら、貴方は困った顔して
「真っ直ぐなところ」
なんて言った
貴方は覚えてるのかな