REST

□【赤の道】
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川にかかる鉄筋コンクリートの橋が右上の視界に。

足元には湿った草、ぬかるむ土がスパイクに食い込む。

帰ったら取らなきゃな。


隣に座るコイツは早々に右手で片足を抱き、残る手で余計な泥を払っている。
いつだってせっかちなのだ。まだ帰り道は長いのにな。面白い奴。


「空って何色してんだ?」

言うことも、か。

「さぁな」
「いや、そこは青じゃね、フツーさ」
「かもな」
「……今日は曇ってんなー」

むむっと歯を食いしばって、伸びやがる。
隙を突いて、腹を叩いてやる。

「っう」
「――確かに曇ってんな」
「痛ッ、んだよ」
「いや」

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