E047
□実験記録01
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霧がかかったような意識の中で、ぼんやりと開けた視界に入ったのは白く無機質な部屋だった。
陸は元々スラムの出身だった。
泥を啜り、木の根をかじりながら生きてきた。だから、こんな白く綺麗な部屋を見たのは初めての事だった。
自分は夢を見ているのだ、と陸は思った。
ちらりと見れば自分は下着すら身につけないまま細い両の手首を手錠で拘束され、手術台のような所に寝かされているのだから。
しかし陸は、手術台などという存在も知らなかった。
変な夢だなぁと思いながら陸はうつらうつらと目を閉じようとした。
そこで、ぱたん、と扉を閉めたような音がする。
重い頭を動かして音のした方を見れば、白く裾の長い上着(それは白衣なのだが、陸は白衣という物を知らなかった)をまとった背の高い男がこちらにやって来る。
「目が覚めたんだね」
柔らかく温かそうな色の髪をした男は、穏やかに陸に微笑んだ。
「だれ…?」
「僕は、高瀬といいます。今日からよろしくね」
高瀬の大きな手の平が陸の髪を撫でた。
「たか…せ…?」
「"高瀬さん"って呼んでね」
「たかせ…さん…」
「そうだよ。君の名前は?」
「…りく…」
「うんうん。自分の事はちゃんと分かってるね…まだ薬が効いてるみたいだから、今のうちに検査しちゃおっか」
「……?」
検査とは何だろう?お金なんてないから、陸は病院に行った事がなかった。
意味が分からずぼーっとしたまま首を傾げる陸をよそに、高瀬は陸のペニスをそっと握る。
そのままゆっくりと上下に扱き始めた。
「んっ…ふぁ…」
「気持ちいいかい?」
「ん…きもち…い…」
くりくりと先端を弄られれば、トロトロと透明な液体が出てくる。
「おっと」
すると高瀬は陸の根元にぱちんとコックリングを嵌めてしまった。
「ひゃっ!!やぁ…!それやだ…!」
いやいやと子供のように首を左右に振る陸の頭を高瀬は宥めるように撫でる。
「これはお仕事だからね、陸は勝手に射精しちゃいけないんだ」
ちょっと我慢しようね、と断りを入れてから、高瀬はパクパクと開閉する尿道に針の無い注射器をあてがう。
そのまま一気に中身を流し込んだ。
「ひっ…ぁあう!やぁ!きもちわるいっ…!」
尿道を逆流する冷たい液体に、陸は目にいっぱい涙を浮かべて抗議する。
「すぐに気持ちよくなるからね」
そう言って高瀬は何やらカチャカチャとワゴンの上に乗せた器具をいじりだす。
そうしているうちに、陸は自分の身体がどうしようもなく熱くなっている事に気がついた。
自分のペニスはドクドクと脈打ち、アナルも何故かヒクヒクと痙攣し始める。
「ぁ…あぁっ…」
自分の身体を撫でる空気にすら身体をびくつかせて反応している陸を見て、高瀬は満足げに頷いた。
「薬の効きは良好だね」
そうして陸の両脚を頭の脇まで持ち上げると、そのまま実験台に固定してしまった。
ペニスからヒクつくアナルまで全て高瀬に見えてしまっている状況に、陸は少なからず羞恥を覚えた。
その状態を、高瀬がポケットから取り出したデジカメでパシャリと撮る。
「え…?」
「言ったよね?これはお仕事だから、ちゃんと記録しておかなきゃいけないんだよ。はい、次は直腸の検査ね」
高瀬は何やらローションのようなものを自分の指に馴染ませると、その指を陸のアナルに挿入した。
「あぅっ…そ…そんなとこ…!」
「んー、あったかくて柔らかい。いい感じだね」
そのまま探るようにぐちゅぐちゅと内壁を指で擦られる。するとある一点を擦られた時、陸の身体はビクッと大きく跳ねた。
「あ、ここかぁ…」
「ひゃっ!?ぁあッ、や、そ こ、らめぇっ…」
こりこりとそこばかりを刺激されて、陸の目からは大粒の涙が零れる。
戒められた陸のペニスは、可哀相なくらいに変色していた。
「はい、下のお口、あーんしてね」
指が引き抜かれ、今度は鳥のくちばしのような銀色の器具が挿入される。
そのまま高瀬が器具を操作すれば、陸のアナルはクパッと口を開いた。