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□bond
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      楔(くさび)
 二つのものを固くつなぎ合わせるもの。
       きずな。

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おれは確かに感じたんだ。

       暖かい

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bond
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なんだかいい夢をみていたきがする。
目覚めは最悪だったけど。

窓の外からかすかに漂ってくるキンモクセイの香りが心地いい初秋。
少しの肌寒さと日頃の睡眠不足は俺を暖かい布団から逃れなくする。

布団を考えた人は偉大だ。頭の隅でそんなことを考えている俺はきっと布団の暖かさによって脳をとかされているんだろう。

―ふいに階段を駆け上がってくる音がしたのを感じると同時にドアが破壊しそうな勢いで開かれた。  

―妹だ。いつまでたっても起きない俺にしびれを切らしているようだ。
「お兄ちゃん!遅刻するよ!」容赦なく布団を引っぺがす。

「あと5分・・―
「5分前も同じこと言ってた!!いい?今から3秒以内に起きないと殴るからね。3…2…」

恐ろしいカウントダウンが始まる。やばい。起きなくては。俺は重たい体を動かそうとする。

でもまぁ、そんなすぐに起きれるはずもなく。

「1!」

見事にみぞおちにきまった。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
俺はのろのろと制服を着るとまだ痛む腹を抱えながら階段を下りた。

玄間の鍵が開きっぱなしになっているところからすると妹はもう出て行ったようだ。

リビングから母のせかす声が聞こえたので俺は戸棚にかけているビニール袋から朝食用のパンを取り出し急いで家を出た。


―あぁ、毎日が退屈でたまらない。
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