*Short story*

□OPについて語ろう!
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キリ番御礼小説
【OPについて語ろう!】


ある日の事。
広間で刀を手入れしていた左之、総司、斎藤の元に、平助が駆け寄ってきた。

平「なぁなぁ左之さん!」

左「どうした?」

平「薄桜鬼 碧血録、見た?」

左「そりゃ見たに決まってんだろ!ついに始まったな!」

総「はは、間抜けな平助のことだから、見逃したー左之さん録画してない!?とか、そんなところじゃない。」

平「そ、総司お前…エスパーなのか!!??」

総「え、図星?だっさー。」

平「そういう総司は見たのかよ!」

総「当たり前じゃない。ばっちしだよ。ばっちしリアルタイムでばっちし見たよ。」

斎「…録画ならしたぞ。」

平「一君!!え、まじ!」

斎「あぁ、…見るか?」

平「見たい見たい!貸して!」

左「どうせだし、皆で見るか!」












*











というわけで、薄桜鬼OP観賞会が始まった。集まったのは、総司斎藤左之平助の4人。

斎「行くぞ。」

言葉少なげに再生ボタンを押した斎藤は超至近距離で画面を見つめている。

左「さ、斎藤…?ちょっと見えねぇんだが…。」

斎「あ…、す、すまない!土方さんが…。」

なるほど。
土方さんを見たい気持ちが高まりすぎたらしい。

総「じゃぁ気を取り直して…」

ピッ


〜♪♪



平「うぉぉぉ!土方さんかっけ!」

総「カッコつけすぎだよね。」

斎「…土方さん…。」

左「斎藤、画面にすがりつくな!」

斎「す、すまない…。」

総「…あ、左之さんアップじゃん。………。」

左「…お前こそドアップだな。」

総「いつから僕ってこんなひ弱キャラになったわけ。こんな色白じゃないし。絶対修正かかってるよね。」

平「まぁ仕方ねぇよ!病弱キャラだし。」

総「病に倒れるだけで別に病弱じゃないし。」

斎「俺の出番はまだか…?」

平「つーか左之さん出番多くね?」

左「まぁな。」

総「平助なんて水に顔映ってるのだけだもんね。どんまい☆」

平「むかつくんだよ!総司も無駄に出番多い!分けろよ!」

斎「俺も…少ないぞ…。」

左「それにしても土方さん、決まってんなぁ。」

平「イケイケ土方さん!殺ったれ!」

総「イケイケ、土方殺られろ!」

斎「土方さん…!!」

平「どっちだ!?どっちの刀が飛んだんだ!?」

左「…うるせーよお前ら。」


まだまだ見足りない、そんな雰囲気を醸し出す彼ら。左之はため息をつき、再び再生ボタンを押した。ついでにリピートに設定する。


平「微妙に新ぱっつぁんもアップあるよなー。」

総「山南さんも完全に怪しい感じでどアップ。」

左「完全に怪しいとか言うなよ。」

斎「…。」

総「一君、一回しか出てこないからって落ち込んでるの?大丈夫、平助に比べたらたくさん出てたじゃない。」

斎「そういわれるとそんな気もするな…。」

平「地味に傷ついちゃうからやめろよ!」


すると、やたら騒がしい広間に気が付いたらしい土方が顔を出した。


土「おい、何騒いで…って何見てんだよ…。」

土方は幹部達が囲んでいる物を見てため息をついた。
そして平助の隣に腰を下ろす。


平「あれ、土方さんも見るの?」
土「うるせぇな気にすんな。」


鬼の副長もやはり気にはなる様子。
そんな土方さんを交え幹部達は再びリピート再生を始めた。

斎「土方さん、素敵です。」

平「いつもは老け顔に見える眉間の皺もなんかかっこよく見えるぜ!」

左「お前は一言多い。」

総「いつもは老け顔に見える眉間の皺がさらに濃くなったんじゃありませんか?」

土「お前は全部余計だよ。」

左「土方さん、脇差しに手を持っていかないでください。」

斎「土方さん、素敵で」

左「斎藤、お前も少し黙れ!」

斎「す、すまない…それにしても土方さん。」

土「なんだ?」

斎「馬に乗れるなんて知りませんでした。」

土「…。」

平「どうしたんだ?」

土「いや…。」

左「んで妙に腰庇って歩いてるよな。どうかしたのか?」

土「そ、それは…。」


顔を真っ青にして目を泳がせる土方。
いつも清々しいまでにきっぱりとしている彼には似合わない姿だった。

困惑する土方の隣では、総司の黒い笑顔が光る。
総司は一人微笑んだ後、実に楽しげに口を開いた。


総「土方さん、あのシーンの為にめちゃめちゃ頑張ってましたもんね。」

左斎平「え?」

総「僕見たんですよね。夜な夜な一人中庭で乗馬のイメトレしてるの。あははは、なかなか面白かったですよ。」

左斎平「…え?」

総「練習のしすぎで腰痛めるとか、ほんと面白すぎますよね。」





泣く子も黙る鬼の副長、土方歳三。そんな彼が、夜な夜な人目を忍んで乗馬のイメトレに勤しむ姿は…
もはやギャグでしかなかった。


平左「…ぶっ、」


何秒かの沈黙のあと、堪えきれず噴き出した二人。
土方にご心酔であるはずの斎藤でさえ俯いて肩を震わせている。
そんな彼らを満足そうに一瞥した総司は、そそくさと部屋を出ていった。
一頻り笑った三人は、ふと後ろに感じた殺気に恐る恐る振り返った。


そこには。


土「…てめぇら…っ!!」




鬼としか表現できない者が、刀を振りかざしていた。




左平斎「うわぁぁぁぁあっ!!!!!!」














屯所を追いかけまわされる三人を何人もの平隊士が目撃したのは、言うまでもない。


















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