桜
□幕間 疑心
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彼女は初めて会ったとき
季節はずれの格好に裸足だった
どこからどう見ても
不思議な光景だった
なぜだか気になった
心の中の助けてという声が
聞こえた気がした
そこに存在しているのに
私には夢か幻のように見えた
----- 幕間 疑心 -----
最初は、本当に人助けの気持ちだった
まだ10月とはいえ、少し肌寒い季節に、不釣り合いな格好
困っているのは明白だった
肩までのサラサラの髪が印象的で
少し細身の身体に可愛らしい顔
鬼崎君たちと同じ年頃の少女に見えた
でもなら、なぜ学校に行っていないのか
この村の人間でないことは、間違いなさそうだ
事情を尋ねても
彼女の答えは、はっきりしなかった
いろいろと気になることはあったが
まぁ、追々聞けばいいと思っていた
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