桜
□幕間 愁嘆
1ページ/5ページ
彼女も
私と同じ気持ちだと知って
嬉しかった
けれども
常に不安がつきまとっていた
----- 幕間 愁嘆 -----
彼女が
誰といるときも
自分の独占欲の強さを、思い知らされた
一緒に暮らしているのに
彼女の心はここにはない気がしてならなかった
でも、目の前で笑っている姿を見ると
そんなことはどうでもよくなっていく
それが、彼女のもつ魅力だろう
ときには
弱い姿を見せてくれたり
珠紀さんとの関係に嫉妬してくれたり
着物の裾を掴んで引き止めてくれたり
そういう姿は、可愛くてしかたなかった
自分だけのものにしたい
そう思わない日はなかった
.