□幕間 疑心
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彼女と過ごす間


私は妙な違和感にさいなまれていた





普通の人なら、必ず聞き返してきそうなところで、聞き返してこない



例えば、私が母の着物を貸すと言ったとき


普通なら、母の所在を尋ねるのではないか



言蔵さんとの会話を聞いていたことも知っている


でも、そのことに関して、彼女は何も言わなかった





一つ一つの質問をしたあと、必ず何かを考えている



私に年齢を尋ねたとき、年齢を知って、なぜか驚いたようすだった


それは25歳だったことを驚いているというより、恐怖に脅えているような雰囲気だった


そして、私が声をかけるまで、私の存在すらも忘れているようだった





普通の人間なら、すぐにでも家に帰りたいはず


とりあえずお金を借りて、帰ってから返すのではないか



わざわざ、私の元に留まらなければならない理由があるのだろうか





言蔵さんの名前を聞いて、彼女のことを知っているようだった


それは、鴉取君、狐邑君、鬼崎君に関しても、同じように感じた


そして、私のこともよく知っているようだった





私たちが守護者であることを知っていて、何かを探っているのではないか



封印に対して、何らかの攻撃をしかけようとしているのではないか






そんな考えが、頭から離れなかった







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