禁忌の彼と禁断の彼

□第一話
1ページ/12ページ

「うっ…ん……」

 当夜はふかふかとしたベッドの上で目を覚ます。それと同時にカレンダーを見た。

「…2年」

 あの日から既に2年。光の消息は未だに不明となっている。

「もう起きてるのね。じゃあ、早く用意しなさい。今日は新学期なんだから」

 当夜の寝室に入ってきた女性は、2年前に当夜を助けた魔術師。名前は神童 結。現在は当夜の師匠兼親代わりを務めている。

 結の促しに当夜は頷く。結は当夜が完全に起きたことを確認し、寝室を出て行った。

 当夜はベッドから立ち上がって、大きく欠伸をする。

 当夜の身長はおおよそ145 程度。13歳としたら普通ぐらいだろう。銀髪は綺麗にショートで整えられている。瞳も髪と同じ銀だ。

「…夏期休暇終了」

 クローゼットに入れられていた制服を着て呟く。一つの区切りを付けたようだ。

「…朝食」

 呟くと共にお腹が鳴る。当夜はそそくさとした様子で通学用鞄を持ち、階段を駆け降りた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ