禁忌の彼と禁断の彼
□第一話
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「うっ…ん……」
当夜はふかふかとしたベッドの上で目を覚ます。それと同時にカレンダーを見た。
「…2年」
あの日から既に2年。光の消息は未だに不明となっている。
「もう起きてるのね。じゃあ、早く用意しなさい。今日は新学期なんだから」
当夜の寝室に入ってきた女性は、2年前に当夜を助けた魔術師。名前は神童 結。現在は当夜の師匠兼親代わりを務めている。
結の促しに当夜は頷く。結は当夜が完全に起きたことを確認し、寝室を出て行った。
当夜はベッドから立ち上がって、大きく欠伸をする。
当夜の身長はおおよそ145 程度。13歳としたら普通ぐらいだろう。銀髪は綺麗にショートで整えられている。瞳も髪と同じ銀だ。
「…夏期休暇終了」
クローゼットに入れられていた制服を着て呟く。一つの区切りを付けたようだ。
「…朝食」
呟くと共にお腹が鳴る。当夜はそそくさとした様子で通学用鞄を持ち、階段を駆け降りた。