禁忌の彼と禁断の彼
□第一話
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「準備は出来たようね。時間はたっぷりあるから、ゆっくりと食べなさい」
優しく言う結は、まさしく母親のよう。血が繋がっていなくても親子のようになれるというのは、この二人を見ていたら分かる。
「…………ンッ!?」
「別に急がなくてもいいって言ってるでしょ。はい」
結の注意も空しく、ガツガツと食べ、喉に食事を詰まらせた当夜に牛乳を渡す。当夜は即座に牛乳を飲み、流し込んだ。
「…行ってくる」
「少しは言う事を聞きなさいよね…」
急いで玄関を出る当夜に結は呆れ気味に呟いていた。