聖女か魔女か
□4.ｺﾞﾙﾌｸﾗﾌﾞよりはいいと思う
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長い細道をくねり、渡った所に
店はあった
ﾚｽﾄﾗﾝﾊﾞｰ｢socket｣
つい一週間前辺りから通い始めたこの店
最初はただの雑用仕事だったんだけどな…と考えながらアリアは扉を開けた
｢遅刻5分前よ〜アリア｣
店長のいつもの陽気な声が聞こえる
『さーせん、ｱｹﾞﾊさん』
socket 店長 ｱｹﾞﾊは今日もニコニコしながらｷｬﾝﾃﾞｨﾊﾞｰをくわえている
｢あっ今はオズって呼んだ方がいいのかしら？｣
『……できればそれで願います、今支度するんで』
髪を束ねて、黒いﾊﾞﾝﾀﾞﾅを巻いて、前掛けを着たら夜の俺の出来上がり
よく映画などでみる雑用ｺｯｸさんってところだろう
軽く酒のつまみを作りながら
『今日はﾐﾔ姐達休みっすか？』
と他のﾒﾝﾊﾞｰの事を聞いてみる
｢ﾘｨは遅れてくるって…ﾐﾔﾋﾞは……さぁ？｣
またﾐﾔ姐と喧嘩でもしたのかと肩を竦める
ﾘｨはうちの店のｳｪｲﾄﾚｽで自慢の看板娘だ、私とは同い年ながらしっかりとしていて明るい可愛い子
ﾐﾔ姐はｱｹﾞﾊさんと同期なのだが…
性格が合わないわ、相手の男を取り合うわでいつも喧嘩ばかり
…正直、達の悪い客よりも酷い
そんなこと本人の前では口が裂けても言わないが
そんなことを遠目で思っていたら扉の開く音が
どうやら開店の時間らしい