詩集

□《詩集E》
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『月に針』


冷気の外套
雪白なる月
ヤマアラシの夜

顎の角度上げて
深海漂う蛍に溺れ
天地逆さの夢心地

触れるモノ皆
冷たさを刺し
刺の無いのは月の兎
見えるけれども届かない

同じ姿の者達に
距離を保てと言い放ち
視線さ迷う
ヤマアラシの憂悶


顎の角度上げて
深く深く沈んだら
綺麗な蛍の案内で
手を繋げるかな
月の兎と









/外套ガイトウ 雪白セッパク
憂悶ユウモン
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