詩集

□《詩集E》
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『錯覚』


この見える全てが幻ではないと云う
信じられる答えは落ちてなどなく
天からの蜘蛛の糸さえ幻

美しい旋律が幻聴であるなら
まことに残酷
和する和音のいかな響きか

慎重に渡れど
大胆に渡れど
その橋の端は不確定

確率を左右する運と云う要因があるのならば
数式など役立たず

あらゆる言葉さえ揺らぎなら
何を口にすべき事があろうか





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