詩集

□《詩集E》
6ページ/26ページ


『鈴の音はいつか』


見える世界すべて
両手で掬おうとした
昔々に


願える空には空言を
遠回り遠回り

つい声にしてみた思い
忘れないように
明日には笑い飛ばせますように

何の為にと今
それだけを刻んだ世界で
伝えたい事々の中から
両手で掬える限界を知った

鈴の付いた手首を眺め
そんな当たり前の自分を
いつか愛おしいと思えますように


昔々
願える空は
果てなく続くと思っていた

両手で掬ったものすべて
とても美しく透き通っていた




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ