詩集

□《詩集A》
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『未来へのプロローグ』


未来の事を見れなくなったのは、何時の頃からだったろうか

周りは光り輝き
花は咲いてくれると
信じていた幼い自分

花は散り乱れ
パズルの様にはもう戻らない

私は元々
才能と云われるものを
何も持ち合わせてはいない人間なのだから
現状に鬱する事も
口に出して不幸を唱える樣も
他人に見せた覚えは無い

そうする事で更に私は
何も持たない人間に近づいてゆく
そうしなければ私は
花が散り
人の足で踏み躙られて
朽ちてしまう様な不幸を
感ぜずにはいられなかったから

けれども周りは一面の花景色
求める心は胸の奥で私を駆り立てる

今の私に光は眩し過ぎて
それを手にした時
我が身を焼きはしないだろうか
闇に育つ花が
光を望んでも良いのだろうか

迷うのは愚かな事?

愚かな私は
その愚かさを払い
こんな私でも
花はまだ咲いて呉れると
光は我が身を照らすと

時折
そんな未来を夢見るのです

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