詩集
□《詩集A》
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『道化の灯』
手が届かない
あと僅かなのに、と
ぼんやりとした灯かりを
刹那に見えた輝きを
私の瞳は捉らえてしまった
見なければ
見えなければ
手を伸ばそうとは思わなかったのに
心弾んだのは一時
後に残ったのは
渇望に胸痛むる道化の姿
「真剣の演技を披露致しまする
千変万化の大道芸
拍手喝采喜びの極み
とくと御覧を皆々様」
道化に望むは嘲笑
道化の望むは栄光
その灯
誰が笑えよう
誰が笑えよう
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